最新のゲーミングキーボードの進化として、ラピッドトリガー機能が注目を集めています。この機能は、微細なキーの押し込みで迅速な反応を実現し、特にFPSゲームなどでプレイヤーの操作性を向上させる画期的な機能です。プロゲーマーにとって、勝敗を分ける僅かな時間差が生まれる瞬間に威力を発揮します。ラピッドトリガー対応のゲーミングキーボードを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントに注意が必要です。以下にそのポイントをご紹介します。
ラピッドトリガーとは?
ラピッドトリガーとは、キーボードの新機能で、キーを少し押し込んだだけで反応し、キーを離した瞬間に反応しなくなる機能です。これにより、FPSゲームなどでキャラクターの移動や銃撃を素早く制御できます。ラピッドトリガーに対応したキーボードは、専用のソフトウェアでアクチュエーションポイント(キーが反応するポイント)とリセットポイント(キーが反応しなくなるポイント)をカスタマイズできます。ラピッドトリガーは、プロのゲーマーに人気の機能で、コンマ数秒の差で勝敗が決まることもあるからです。
[出典]Wooting公式HP
ラピッドトリガー対応ゲーミングキーボードの選び方
ラピッドトリガー対応ゲーミングキーボードを選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
キースイッチの種類と感触
ラピッドトリガー対応キーボードは、光学式スイッチや磁気ホールセンサー式スイッチなどの特殊なスイッチを採用しています。これらのスイッチは、摩耗や汚れに強く、耐久性や反応速度が高いというメリットがありますが、打鍵感や音などはメカニカルスイッチとは異なります。自分の好みに合うスイッチを選ぶことが重要です。
キー配列とサイズ
ラピッドトリガー対応キーボードには、日本語配列と英語配列の2種類があります。日本語入力を行いたい場合は日本語配列、英字や記号キーを多く使用したい場合は英語配列がおすすめです。また、キーボードのサイズもフルサイズ・テンキーレス・60%など様々です。デスクのスペースや持ち運びの頻度などに応じて適切なサイズを選びましょう。
アクチュエーションポイントとリセットポイントの設定範囲と精度
ラピッドトリガー対応キーボードは、アクチュエーションポイントとリセットポイントを自由に設定できますが、その範囲と精度は製品によって異なります。一般的には、アクチュエーションポイントは0.1mm~4.0mm、リセットポイントは0.1mm~1.0mmの範囲で0.1mm単位で調整できるものが多いです。自分のプレイスタイルに合わせて細かく設定できるものを選ぶと良いでしょう。
その他の機能やデザイン
ラピッドトリガー対応キーボードには、OLEDディスプレイやメディアコントロールホイール、USBポートなどの付加機能が搭載されているものもあります。これらの機能は、ゲーム以外の用途にも便利です。また、キーボードのデザインやカラーも好みに合わせて選ぶことができます。自分のデバイス環境や趣味に合わせておしゃれなキーボードを選びましょう。
以上が、ラピッドトリガー対応ゲーミングキーボードの選び方のポイントです。
ラピッドトリガー対応キーボード一覧
2024年1月現在で発売されているラピッドトリガーキーボードを9種類ピックアップして、価格や性能、特徴などを比較してみます。
外観 | 価格 | AP※ | RT※ | |
---|---|---|---|---|
Wooting 60HE |
約25,400円+送料 |
0.1~4.0mm | 0.15~2.35mm | |
SteelSeries Apex Pro | 約33,000円 | 0.1~4.0mm | 0.1~4.0mm | |
Razer Huntsman V3 Pro | 約33,000円 | 0.1~4.0mm | 0.1~1.0mm | |
DrunkDeer | 約18,000円 | 0.2~3.8mm | 0.1~3.6mm | |
CORSAIR K70 MAX | 約30,000円 | 0.4~3.8mm | 0.2~1.2mm | |
REALFORCE GX1 | 33,000円 | 0.1~3.0mm | 0.1~1.8mm | |
ELECOM GAMING VK600A | 約23,000円 | 0.1~3.8mm | 0.1~3.8mm | |
ZENAIM Keyboard | 48,180円 | 0.1~1.8mm | 0.1~1.8mm | |
Arbiter Studio Polar 65 | 27,980円 | 0.1~3.8mm | 0.1~3.8mm |
※AP=アクチュエーションポイント ※RT=リセットポイント
Wooting 60HE
特徴
Gateron Lekker スイッチを採用した60%サイズのキーボード。キースイッチやキーキャップを交換できるモジュール式の設計。
価格:約25,400円+送料
キーストローク:4.0mm
アクチュエーションポイント:0.1~4.0mm (0.1mm単位で調整可)
リセットポイント:0.15~2.35mm
キー配列:英語
メリット
キーごとにアクチュエーションポイントを設定できる。キースイッチやキーキャップを自由にカスタマイズできる。コンパクトで持ち運びやすい。
デメリット
日本語配列がない。価格が高い。関税がかかる可能性がある。
SteelSeries Apex Pro シリーズ
特徴
OmniPoint 2.0 スイッチを採用したゲーミングキーボード。有機ELディスプレイやメディアコントロールなどの機能が搭載されている。
価格:約33,000円
キーストローク:4.0mm
アクチュエーションポイント:0.1~4.0mm (0.1mm単位で調整可)
リセットポイント:0.1~4.0mm
キー配列:日本語 / 英語
メリット
キーごとにアクチュエーションポイントを設定できる。有機ELディスプレイで設定や通知を確認できる。メディアコントロールで音量や再生などを操作できる。
デメリット
キースイッチやキーキャップを交換できない。
ラピッドトリガー対応の「APEX PRO」は下記のシリーズになります。
- APEX PRO 日本語・英語
- APEX PRO TKL 日本語・英語
- APEX PRO TKL WIRELESS 英語
- APEX PRO MINI 日本語・英語
- APEX PRO MINI WIRELESS 日本語・英語
Razer Huntsman V3 Pro シリーズ
特徴
第2世代 Razer アナログオプティカルスイッチを採用したゲーミングキーボード。RGBライティングやメディアコントロールなどの機能が搭載されている。
価格:約33,000円
キーストローク:4.3mm
アクチュエーションポイント:0.1~4.0mm (0.1mm単位で調整可)
リセットポイント:0.1~1.0mm
キー配列:日本語 / 英語
メリット
キーごとにアクチュエーションポイントを設定できる。RGBライティングでキーボードを彩れる。メディアコントロールで音量や再生などを操作できる。
デメリット
キースイッチやキーキャップを交換できない。キーストロークが長い。
ラピッドトリガー対応の「RAZER HUNTSMAN V3 PRO」は下記のシリーズになります。
- Razer Huntsman V3 Pro 日本語・英語
- Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless 日本語・英語
- Razer Huntsman V3 Pro Mini 日本語・英語
- Razer Huntsman V2 Analog 日本語・英語
- Razer Huntsman Mini Analog 英語
「Razer Huntsman V2 Analog」または「Razer Huntsman Mini Analog」のRAPID TRIGGER モードはAPが1.5mm~のため注意が必要です。
また、「Razer Huntsman V2 Analog」または「Razer Huntsman Mini Analog」でRAPID TRIGGER モードを使用するには、最新バージョンの「Razer Synapse」がインストールされていることが条件になります。
DrunkDeer シリーズ
特徴
DrunkDeer磁気リニアスイッチを採用した75%サイズのキーボード。キースイッチやキーキャップを交換できるモジュール式の設計。
価格:約18,000円
キーストローク:4.0mm
アクチュエーションポイント:0.2~3.8mm (0.1mm単位で調整可)
リセットポイント:0.1~3.6mm
キー配列:英語
メリット
キーごとにアクチュエーションポイントを設定できる。キースイッチやキーキャップを自由にカスタマイズできる。価格が安い。
デメリット
日本語配列がない。キースイッチの品質が安定しない場合がある。
ラピッドトリガー対応の「DrunkDeer」は下記のシリーズになります。
CORSAIR K70 MAX
特徴
Fuji磁気スイッチ(リニア)を採用したフルサイズのキーボード。RGBライティングやメディアコントロールなどの機能が搭載されている。
価格:約30,000円
キーストローク:4.0mm
アクチュエーションポイント:0.4~3.8mm (20段階で調整可)
リセットポイント:0.2~1.2mm
キー配列:英語
メリット
キーごとにアクチュエーションポイントを設定できる。RGBライティングでキーボードを彩れる。メディアコントロールで音量や再生などを操作できる。
デメリット
日本語配列がない。キースイッチやキーキャップを交換できない。
REALFORCE GX1
特徴
静電容量無接点方式を採用したテンキーレスサイズのキーボード。キルスイッチや2-in-1アクションキーなどの機能が搭載されている。
価格:33,000円
キーストローク:4.0mm
アクチュエーションポイント:0.1~3.0mm (0.1mm単位で調整可)
リセットポイント:0.1~1.8mm
キー配列:日本語 / 英語
メリット
キーごとにアクチュエーションポイントを設定できる。キルスイッチでキーの優先順位を変えられる。2-in-1アクションキーでキーの機能を切り替えられる。打鍵感が良い。
デメリット
キースイッチやキーキャップを交換できない。
ELECOM GAMING VK600A
特徴
磁気検知式スイッチを採用した65%サイズのキーボード。RGBライティングやメディアコントロールなどの機能が搭載されている。
価格:約23,000円
キーストローク:4.0mm
アクチュエーションポイント:0.1~3.8mm (0.1mm単位で調整可)
リセットポイント:0.1~3.8mm
キー配列:日本語
メリット
キーごとにアクチュエーションポイントを設定できる。RGBライティングでキーボードを彩れる。メディアコントロールで音量や再生などを操作できる。日本語配列がある。
デメリット
キースイッチやキーキャップを交換できない。
ZENAIM Keyboard
特徴
無接点磁力検知方式を採用したテンキーレスサイズのキーボード。2-in-1アクションキーなどの機能が搭載されている。
価格:48,180円
キーストローク:1.9mm
アクチュエーションポイント:0.1~1.8mm (0.05mm単位で調整可)
リセットポイント:0.1~1.8mm
キー配列:日本語
メリット
キーごとにアクチュエーションポイントを設定できる。2-in-1アクションキーでキーの機能を切り替えられる。キーストロークが短い。日本語配列がある。
デメリット
キースイッチやキーキャップを交換できない。価格が高い。
詳しくは公式HPより↓
Arbiter Studio Polar 65
特徴
Fuji磁気スイッチ(リニア)を採用した65%サイズのキーボード。RGBライティングやメディアコントロールなどの機能が搭載されている。
価格:27,980円
キーストローク:4.0mm
アクチュエーションポイント:0.1~3.8mm (20段階で調整可)
リセットポイント:0.1~3.8mm
キー配列:英語
メリット
キーごとにアクチュエーションポイントを設定できる。RGBライティングでキーボードを彩れる。メディアコントロールで音量や再生などを操作できる。価格が安い。
デメリット:日本語配列がない。キースイッチやキーキャップを交換できない。
最後に
ラピッドトリガー機能を備えたゲーミングキーボードは、プレイヤーに新たな操作体験とスピードを提供します。個々の好みやプレイスタイルに合ったキーボードを選ぶ際には、キースイッチの種類や感触、キー配列、アクチュエーションポイントの調整範囲など、多くの要素を検討する必要があります。これらの機能とデザインのバランスを考慮しつつ、最適なゲーミングキーボードを見つけて、ゲームプレイの新たなレベルを楽しんでください。